「学歴不問求人があるとはいえ、ほとんどの企業が高卒以上って意味だからねぇ。」
「それで30代で未経験職への転職でしょ?ちょっと難しいんじゃないかなぁ。転職歴回数も多すぎるしね。」
職業訓練校の担任と月1の面談時に言われた一言です。
今まで働いていた職場を辞め、飲食業から新たにIT業界へキャリアチェンジしたかった私は、プログラマーとしての基礎を身に付ける為に数か月間、職業訓練校に通っていました。
面談時にこれを言われた時、正直私はかなりイラっとしました。
というのも、入所前の施設見学でこの担任は私にこう言ったのです。
「今はIT系は求人が多いので、ここを出れば30代でその経歴でもIT系の仕事には全然就けると思いますよ。私が推薦するなら採用しますよと言ってくれているIT企業も10社ほどありますので。」と。
私は、誰が言ったかはあえてふせて見学会で言われたことを担任に言い返しました。
「でも、入所前の見学会では自分の経歴でも大丈夫と言われたのですが?」
すると、担任の返答はこうでした。
「私が説明していれば、きちんと入る前にそう伝えたんですけれどもね。悪い事してしまいましたねぇ。」
職業訓練校に通うことは無駄だとネットで書かれていたのは知っていましたが、ここまで適当な人間がいるとは思いもしませんでした。
まさか自分で言った事も覚えていないとは、、
その場では呆れてそれ以上何も言う気になれませんでした。
じゃあ、なんで合格させたんですかね。ここに通う為に仕事を辞めて入所したのに、それを全て無駄にされた気分でした。
30代の転職はうまくいく?
やっぱり30代で未経験職への転職なんて無謀過ぎたのか、、
諦めかけていた私ですが、当初の希望であるIT業界への転職はしなかったものの、未経験で異業種への転職は成功させることが出来ました。
上場企業のグループ会社なので、福利厚生もしっかりしていて勤務時間もホワイトです。
特に役に立つ資格も持っていませんでしたし、転職先の業界での経験も勿論ありません。
年収は前職よりもダウンしましたが、これはまあ仕方のない事だと思っています。
定期昇給もありますし、これからまた頑張っていこうという気持ちでした。
30代での転職、
世間一般では、30代になると転職はかなり難しいと言われていますが、私はそうでもなかったように感じます。
勿論、簡単ではなかったですが。
私が30代で未経験への転職を考えたきっかけ
私が転職を考えてから、実際に転職するまでを振り返ってみたいと思います。
転職を考える前は、将来の独立を夢見て飲食業界で働いていました。
私が働いていた飲食店は、勤務時間でいえば完全にブラックな会社です。通勤に毎日2時間と拘束時間は14時間、1日仕事に使う時間は大体16時間です。残業手当は14時間を超えた場合のみ支給されます。アルバイト並みの時給ですが。
休みは週に1日で、連休などありません。年末年始やGWなどは週1の休みですら無くなる事はざらでした。
思いっきり前の職場の悪口になってしまっていますが、自分は独立を目標としていたし、面接時にこれと同じことは説明されていたので特に労働条件への不満が強かったわけではありません。
飲食業界にはトータルで7年程いましたが、今まで働いていた飲食店はどこも似たような勤務体系だったので、この業界はこんなもんだ程度な感じでいました。
今はこういった業界の体質が問題視されて、ホワイトな飲食企業もかなり多いですけどね。
私の場合、経歴が低スペック過ぎてそういったホワイトな企業では採用してもらえませんでした。
将来の独立を目標に仕事を頑張ってきたわけですが、ある程度のキャリアを積んだ段階で自分には独立は向いていないと思うようになり、独立を諦めてしまいます。
そして、この頃から将来について考え始めるようになりました。
年を取ってもこの勤務条件で働いていられるのか?
- 賞与も寸志程度、退職金制度もないのは不安。
- 勤務時間は1日14時間で休憩時間もまばら。
- 休みは週1で年間休日は52~54日しかない。
独立を目指していた頃はちっとも気になりませんでしたが、それを諦めたとなると話は別です。
当時勤めていた飲食企業では、年収380万程貰っていて、続けていれば500万程までは収入アップが可能な会社ではありました。
ですが、この会社を辞めずに続けていく場合、自分の時間は間違いなく取れません。
睡眠時間は毎日4、5時間でしたし、寝ないで働くのを美徳とする社長だったので、企業の体質が変わる事など想像もつきません。
「会社員として働くのであれば自分の時間も確保できて、尚且つ安定している仕事に就きたい」
そういう思いが次第に強くなった事、この時すでに30歳を超えていて、行動するなら早めの方がいいと自分の中の思いもあり転職を決心しました。
未経験で異業種への転職を選択
転職をするにあたり、次の転職先は飲食業界ではなく異業種への転職と決めていました。
独立という目標から挫折したこと、ホワイトな飲食企業への入社は自分には厳しいだろうと感じていた事から、同業種への転職は選択肢にありませんでした。
私は中学を卒業してからこれまで、いろんな仕事を転々としてきました。
先にも話しましたが、その中で飲食業界での経験は7年程あります。
接客から調理、店長職も勤めていたので管理としての経験もあります。
一般的に未経験での転職よりも、自分の経験を活かせる同業種のほうが転職できる可能性が高いのは明らかです。
ですが、キャリアチェンジするなら今このタイミングしかないなと考え、異業種への転職に踏み切りました。
転職に向けて最初にやったこと
以下の理由から、転職活動は在職中に始めました。
- 自己都合で退職する為、雇用保険が3か月後にならないと支給されない。
- 貯金もないので、退職してすぐ働けるようにしたかった。
- うまくいかなかった場合は今の職場に残れる為。
主にこの3つの理由から、働きながら空いてる時間で転職活動をすることにしました。
とは言っても、週1日休みで通勤含め1日16時間は仕事で時間を使っています。
なかなか転職活動をする時間もありません。
効率良く仕事探しをする為に工夫して動かなければなりません。
無料の転職サイトに片っ端から登録する
まず、私は転職サイトに登録することから始めました。
転職サイトを利用することにより、応募する際の手間を大幅に減らす事が出来ます。
その為、空き時間を作りにくい自分にとってはとても便利でした。
転職サイトのレジュメ機能が便利
ほとんどの転職サイトには、レジュメ登録という機能が備わっています。
これは、自分の経歴やプロフィールを登録しておくもので、一度登録してしまえば応募毎に新たに作成する必要もないのでかなりの時間短縮になります。
転職サイトによっては、企業からの逆オファーを受けられるものもあります。
転職サイトは登録から利用まで全て無料なので、私はこのレジュメ機能を利用しながら、仕事の休み時間や、夜帰ってきてから寝るまでの少しの時間で仕事を探しました。
休みの日はハローワークを利用した転職活動
飲食業で平日休みという事が幸いし、仕事が休みの日はハローワークへでかけて求人を見ていました。
(後から知った事ですが、ハローワークの求人は自宅のパソコンからインターネットで見ることもできます。)
ただ、個人的感想ですがハローワークの求人は怪しいものがホントに多いんですよね。。
具体的には、個人事業レベルの求人や、条件が明確に記載されていないもの、給料があまりにも安すぎる正社員求人などです。
更に、ここが良さそうと思っても、最低学歴条件が高卒以上の企業がほとんどです。
中卒の私にとって、ハローワークで魅力的な求人を探すのはとても難しかったです。
ですが、今の会社で一生仕事を続けていく気持ちはありません。
転職サイトとハローワーク、この2つを利用し地道に転職活動をしていました。
ハローワークで見つけた職業訓練校の案内
職業訓練というものがあるのは以前から知っていましたが、今までは無関心でした。
別に通わなくても仕事に就けるだろうという気持ちしか無かったからです。
気持ちの焦りもあったからか、この時は待ち時間に見ていた案内資料がなんとなく気になったので、ハローワークの職員に詳細を聞いてみました。
「ここへ通えば施設から仕事を紹介してもらえるので、通ってみる価値はあるかもしれないですね。」
この言葉を聞いてから、気持ちが一気に職業訓練校へと傾きます。
その他にも、職業訓練校に通いながら転職活動をすることは、自分にとっては好都合な事ばかりでした。
- 退職後3か月待たずに雇用保険が支給される。
- プログラム言語の基礎を学ぶ事ができる。
- 再就職の為の訓練が受けられる。
雇用保険もすぐに支給されて、希望としているIT業界転職への可能性も広がり、尚且つ再就職の為の訓練も受けられる。
訓練期間はおよそ半年間ですが、自分にとっては良い事尽くしです。
私は職業訓練校に通う事を決めます。
会社を退職し、職業訓練校へ入所
職業訓練校に通う為には面接と簡単な筆記試験を受け、合格しなければなりません。
ホントはいけない事ですが、仕事を仮病で休んで選考試験を受けに行きました。
過去の職歴なども考慮される為受かるか不安でしたが、なんとか合格する事ができ会社を退職することとなりました。
半年間の職業訓練を終えて得られたもの
職業訓練に通うときはIT業界への転職を第一希望としていました。
ですが、結果的には全然関係ない業種へと転職しています。
職業訓練が転職に役立ったかどうかという事についてですが、希望していた業界へ転職ができなかったという意味では全く役には立っていません。
記事の冒頭で書いた通り、担任は呆れるような人ですし、講師ですら授業中にこのスキルをこの期間で教えるなんて最初から無理な話なんて愚痴を言ってたぐらいです。
授業の内容も、市販の書籍をなぞって進めていくだけです。
こんな内容でしたら正直独学でどうにもなります。
他の訓練科の方と施設内で話す機会もありましたが、どこの訓練科の受講生も「浅く教えるだけでこんなんじゃ全然実践で通用しないと思う」と、不満そうでした。
職業訓練が良いかどうか聞かれたら、絶対時間の無駄と私は答えます。
同じクラスだった人のうち、ほぼ全員が意味がないとがっかりしていたほどです。。
キャリアコンサルタントを利用して得られた恩恵は大きい
そんな職業訓練ですが、常駐していたキャリアコンサルタントを利用した事は大きなメリットでした。
むしろ利用しなければ転職先が決まっていなかったかもしれません。
それぐらいキャリアコンサルタントのサポートは役に立ちました。
具体的に何が良かったか?
- 過去の経歴などを基に、自分にあった職業を提案してもらえる。
- 履歴書・職務経歴書の添削・面接の練習
- 今まで気づかなかった自分の特徴・特性を知ることができる。
キャリアコンサルタントという存在はなんとなく知っていました。
ただ、利用しようと思った事は今まで一度もありません。
キャリアコンサルタントという名前がなんとなく胡散臭く感じていたのと、就職にそこまで役に立つとは考えていなかったからです。
ですが、いざ利用してみると自分の想像していた以上に細かいところまでサポートしてもらえました。
履歴書や職務経歴書の書き方などは、本やネットなどを使い自分で調べた以上の事を教えてくれるし、自分の経歴をプラスに持っていけるような(もしくは可能な限りマイナスにならないように)受け答えの仕方なども指導してもらえました。
転職するときは最初から転職のプロに相談するのが一番の近道だなと、この時感じました。
私が30代未経験で転職を成功させることができたのは、キャリアコンサルタントのおかげだと思っています。
30代で転職を成功させる為に必要なこと
転職活動において、情熱や熱意は最低限必要なものですが、それだけで転職を成功させる事は当たり前の事ですが非常に難しいです。
私は今回、自身の転職活動を通じて転職を成功させる為には事前の面接対策がとても重要だということを学びました。
転職成功の為の面接対策とは?
私は面接に必要な対策として3つのポイントをキャリアコンサルタントに教わりました。
30代で転職成功の為の3つのポイント
- 書類選考に落ちない為に、採用担当の目に留まるよう作成すること。
- 面接時、短い限られた時間でいかに自分の良さを伝えられるか。
- ビジネスマナーの徹底
当たり前のことのように思えますが、ここを理解していない人が非常に多いと聞きました。
具体的には、
- 職務経歴書はただ経歴を箇条書きにしただけ
- 自己アピールが自己紹介になってしまっている
- ビジネスマナーがなっていない
- 自分の強みをアピールできていない
などです。
私もいくつかあてはまる事があり、ハッとしたのを覚えています。
キャリアコンサルタントから教わったこの3つのポイントに沿って、面接の対策をおこないました。
応募書類は何回も作り直しさせられましたし、面接練習ではかなりキツイ事を言われたりもしましたが、結果的には非常に役に立ちました。
転職をするならプロに相談するのが一番
もし、転職をしようか悩んでいる、もしくは現在一人で転職活動をしているのであれば、転職のプロに相談するのが一番の近道だと言い切れます。
これは中卒で一番長い職歴が3年しかなく、転職回数8回で転職できた私の実体験からそう言い切れます。
一人で転職活動をしていたら転職先が決まっていたかわかりません。
仮に決まっていたとしてもあまり良い仕事には就けていなかったでしょう。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用すれば、キャリアアドバイザー、エージェントなどと呼ばれる転職のプロが細かくサポートしてくれます。
お金も一切かかりませんし、エージェントの場合、自分に合った転職先の紹介もしてくれるので利用するうえでのデメリットはありません。
私自身、何回も言いますが、転職が成功できたのはキャリアコンサルタントを利用したおかげだと思っています。
転職で悩んでいるのであれば、一度利用してみることをおすすめします。